お取り寄せの達人のオススメ!
chicoさん(スイーツライター)
自由な感覚をベースに緻密に手をかけられた、唯一無二のクッキー缶

なんとなくSNSを眺めていたら、とてもきれいなチョコレートや焼き菓子の姿に釘付けになっていました。それが『pâtisserie&chocolaterie zéro plus』との出合い。
読んでみると塚本大暉シェフは「ハイアットリージェンシー東京」の「レストランキュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」や「ラ・パティスリーbyアマン東京」などで経験を積み、いまは『ROND-POINT(ロンポワン)』のスーシェフを任されているそう。自分のお店のオープン準備を進めつつ、今のお店を辞めずにオンラインからブランドをはじめたといいます(本来の仕事をしっかりしながらその時間外にやる、独立の新しいスタイル!)。
「配合など決まった数値から作るのではなく、自分の感覚で作り上げてからレシピに落としこんでいます。土台に誰かのレシピがあるわけでなく、完全にゼロから組み上げていくカタチをとっているんです」と塚本シェフ。
そのおかげかクッキー缶もショコラとかミルクティーとか、おさまっている5種はどれもスタンダードなフレーバーなのに、抜かりなく印象的。
チョコ生地にチョコチップを散らした「ショコラクッキーデュオ」はかじるとほろほろと、染み込んでいたチョコがとろけだすよう。ベネズエラ産のカカオ70%チョコレートがクッキーなのかチョコなのか混乱するくらいたっぷり!
冷やしても美味しいとのことで冷やしてみると、チョコがかたまりぽりぽりクリスピー、でもスッと口溶け良くて。1種類で2通りの楽しみが潜んでいます。
ほろほろ口溶け良いドイツやオーストリアのクッキー「ギプフェル・ヴァニーユ」なら、通常は三日月(や馬蹄)型が多いけど、あえてのキューブ状に。しっかりした厚みのおかげで外はサクッと中はほろっと。低温で長時間焼き込むことで、バニラの奥行きが深まるよう。
一番驚いたのは「ミルクティー・クッキー」。飲む用とはまた違う、このクッキー仕様に茶葉をオリジナルブレンドしていて、クッキーを噛んだ時に口の中でミルクティーになるのをイメージして配合しているそう。しかもそのブレンド茶葉をミルクティーに煮出したもの、リキュール(ウォッカで茶葉を真空調理して香りを抽出!)にしたもの、そのまま茶葉での3種にして混ぜ込んでいきます。
同じブレンドを異なる味わい方にして1枚のクッキーに合わせることで、味わったことのない世界へ。華やかでフルーティ、ほんのり熟成の香りがグッと奥行きを深めて、最高に香り高いロイヤルミルクティーをいただいている気分になれます。
何気なくシンプル、でも緻密に手をかけられたクッキーはほかにない味わいや香りに満ちていて、きっと忘れられないひと缶になるはずです。
chicoさん(スイーツライター)
スイーツトレンドに精通し、「anan」や「Hanako」、「ELLE goumet」はじめ多数の雑誌やWeb、TVでスイーツ記事の執筆や特集企画監修・出演を行うほか、ギフトのセレクトショップ、ECサイトなどでスイーツ監修も手がける。「anan」で「Food topics 〜chicoのお菓子な宝物」、「SALUS」で「もらって嬉しい手土産スイーツ」を連載中。『東京の本当においしいスイーツ探し』シリーズ監修。共著に『東京最高のパティスリー』。
[ウェブサイト] Twitter「anan」連載中「chicoのお菓子な宝物」
「SALUS」連載中「もらって嬉しい手土産スイーツ」