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平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)

荘厳な姿が心を打つ、元祖バウムクーヘンと称されるフランス伝統菓子

 ガトー・ピレネー(Gateau Pyrenees)

「ガトー・ピレネー」とは、フランスとスペインの国境を成すピレネー山脈の麓、フランス南西部のミディ・ピレネー地方の郷土菓子です。

横に渡した心棒を回しながら少しずつ生地をかけ、直火で何層にも重ねながら焼く製法で、ドイツ銘菓・バウムクーヘンの原型とも言われます。垂れた生地が焼き固まった、ゴツゴツとしたワイルドな姿が印象的で、バウムクーヘンよりもしっかりとした食感が特徴です。

私がこのお菓子を最初に知ったのは、東京・世田谷区にある老舗フランス菓子店「オーボンヴュータン」でした。

千葉県の「流山おおたかの森」駅最寄りにある「レタンプリュス」オーナーの熊谷治久シェフは、「オーボンヴュータン」での修業を経て、フランスでも経験を積んだ方。

師匠と同じく、今はフランス現地でもほとんど見ないというガトー・ピレネーに魅せられ、お店が2019年6月に移転リニューアルして厨房が広くなったのを機に本格的に作り始め、看板商品の1つとなっています。

「レタンプリュス」の配合には、アーモンドや蜂蜜、生クリームが入っていて、かなりリッチ。それまでの私の「ガトー・ピレネー」のイメージよりも、現代のドイツやウィーンのバウムクーヘンに近い印象でした。

封を開けると、バニラや蜂蜜の甘い香りがふんわり。焼き上がった後、表面に「グラス・ア・ロー」と呼ばれる糖衣をかけるため、カリッとした層に薄く覆われています。その糖衣にも生地にもラム酒を入れていますが、いかにもお酒が効いているというのではなく、発酵バターや卵など様々な素材と混じり合って、何とも言えない芳香に。

口どけがよく、飲み物無しでもすんなり飲みこむことができ、実にしっとりしていることに驚かされました。熊谷シェフ曰く、表面の凸凹のうち、へこんだ薄い部分が硬くならないよう、材料や生地の混ぜ方、焼成温度や時間、さらに心棒の回転速度を微調整して、どの部分も食べやすいよう工夫を重ねたそうです。

知る人ぞ知るお菓子で、特にホールサイズを販売している店は数えるほど。高さ18cmほどあり、塔のようにそびえ立つ姿に、威風堂々とした存在感が漂います。

少し先が細くなった円錐形で、うっすらと糖衣に覆われているので、雪をまとったモミの木のようにも見えます。これをお出しすると注目を集め、場が盛り上がること請け合いです。

直径15cm、厚さ6cmと4cmの輪切りタイプもありますが、ホールサイズは細身のため、中のしっとり部分よりも周囲の糖衣がけ部分の比率が高く、それぞれ異なる食感です。味わい比べてみても面白いですね。

ピレネー山脈のデザインが描かれた三角錐のパッケージもお洒落。このお菓子の由来がフランス語で記されていて、結婚式や教会に入信する洗礼の際に食べると書かれています。

年輪を重ねた樹木を模したバウムクーヘンと同じように縁起のよいお菓子ですので、お祝いの席に用意して、皆様で分かち合ってはいかがでしょうか。

平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)

スイーツ情報WEB「幸せのケーキ共和国」主宰。スイーツジャーナリストとして全国銘菓に精通し、TV・雑誌等各メディアで発信。「All About」スイーツガイドも務める。イベント企画や司会、企業や自治体のスイーツ開発など幅広く活動。セミナーや製菓系学校での講師も務める。TVチャンピオン「デパ地下グルメ選手権」優勝。著書に『東京最高のパティスリー』(ぴあ)、『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』(KADOKAWA)等。『厳選スイーツ手帳』・『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)を監修。

[ウェブサイト] 幸せのケーキ共和国
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『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』&『東京最高のパティスリー』
監修本『厳選スイーツ手帖』(世界文化社)
監修本『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)
「おいしいマルシェ」(「人気店の定番スイーツ」vol.65)
※本ページにはプロモーションが含まれています

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