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塚田亮一さん(東京餃子通信 編集長)

ひとくち餃子発祥店の餃子は究極のパリパリ感が楽しめる

 生ひとくち餃子 30個入

かれこれ10年以上餃子の食べ歩きを続けていますが、食べ歩きを始めた当初は首都圏の有名餃子店を中心に食べ歩きをしていました。そんな中、ある食通の知人から「大阪に一番好きな餃子店がある」と紹介されたのが今回ご紹介する「天平」です。

紹介を受けた数か月後、仕事で大阪に行ったついでに北新地の「天平」に伺うことができたのですが、そこで食べたひとくち餃子は私にとって衝撃的な経験でした。その薄皮とパリッとした食感はそれまで食べてきた餃子とは全く異なるものだったのです。

「天平」でのひとくち餃子との出会いにより私は餃子の幅広い可能性に気づかされ、首都圏だけでなく全国各地のご当地餃子も食べ歩くようになりました。「東京餃子通信」というサイト名ながら、全国各地の餃子が掲載されるようになったのは「天平」がきっかけだったと言っても過言はないかもしれません。

「天平」のひとくち餃子が生まれたのは昭和30年。北新地にまだ飲食店が少なかったころに、天平の創業者、浦上恵美子さんが「庶民的な食事ができる店を」と考え餃子の販売を始めました。

一般的な餃子の様に三日月形に包むのではなく、折りたたむような包み方の小さな餃子にしたこと、そしてニンニクを使わなかったことが北新地で働く女性の間で一気に話題となりました。

その後「天平」の餃子を参考にしたお店が北新地やミナミ、祇園などに広がり関西のご当地餃子としても認知されるようになりました。今では関西のお土産店や百貨店などで様々な種類のひとくち餃子が販売されていますが、元をたどればこの「天平」から生まれたものなのです。

「天平」のひとくち餃子の特徴はその皮の薄さ。この薄皮餃子は自宅でも簡単にカリッと焼きあげられます。そのポイントは、なんと油を使わないこと。フライパンで焼くのでもホットプレートで焼くのでも少量の水を餃子にかけて軽く蒸した後には、餡から出てくる脂分だけで十分にカリッと焼けます。下手に油を敷くと餃子がベタつくので気を付けましょう。

カリッと焼きあがった皮の中には豚肉と白菜、ニラを使った餡が少量包まれています。少量の餡なのですがニラの香りと豚肉・白菜の旨味・甘味がバランスよく、更に一味唐辛子で辛味も加えてありとっても存在感があります。パリパリ食感、濃厚な風味、そしてピリ辛仕上げでビールとの相性が抜群の餃子です。

「天平」の餃子はお好みに合わせてタレを調合して食べてください。タレの配合はお酢2に対して醤油1が基本。餃子餡がピリ辛に仕上げてあるのでラー油は不要です。お酢多めのタレを使うと脂っぽさが落とされて、餡の旨味がよりダイレクトに感じられるようになりますのでおススメです。

大阪のひとくち餃子を食べたことない方には「天平」の餃子は特に食べてもらいたいですね。餃子の果てしない可能性の一端を感じてもらえると思いますよ。

塚田亮一さん(東京餃子通信 編集長)

「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮や浜松などの日本全国の餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く餃子のスペシャリスト。「お願い!ランキングGOLD」の餃子のランキングの審査員など、TVやラジオにも多数出演。「マツコの知らない世界」で披露したオリジナルレシピの自作餃子も評判。

[ウェブサイト] 東京餃子通信
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