お一人様おせち料理「慶賀」
おもてなし料理のきらら亭

お正月を前に、一人で贅沢気分を堪能できるおせちが、我が家に届きました。冷凍で届きその重みの重厚感が手の中に伝わたり、「早く食べてみたい」と焦る気持ちを抑えダンボールを開封しました。
中には、きちっと折られた風呂敷に包まれたおせちと、お品書きが現れました。
お品書き通りに【冷蔵庫内で解凍、ほぼ１日要す】とあり指示通りに解凍時間を待ちました。

翌日、解凍時間が過ぎた頃合いを見ておせちと初対面をしました。
開けてみると想像以上の見た目と品数で、思わず笑みがこぼれました。右手にお品書きを持ち、一つ一つ名前と料理を照らし合わせ自分が食べた事がない料理もいくつか登場し率直にどんな料理なのかが、気になりました。

一人で食べるおせちが目的の「慶賀」ではありますが、やはり一人で食べる事に気が引けて家族と少しずつ分けて食べることにしようと、この段階でシフトチェンジしました。
そういった、別の考えに変える事が出来るおせちというのも、斬新で魅力的だと感じました。

おせちとの初対面を終え、いよいよ中身の実食タイムを心地よく迎えました。

計32品目という、お一人様メインでは豊富な品数で野菜から肉、魚、きんとんや黒豆など従来の古典的おせち料理に加えてテリーヌ、ローストビーフといった洋風の料理もお目見えして飽きがこずバラエティーに富んだラインナップです。
ここからは自分が「わぁ凄い、驚いた」と思った、美味しい料理をいくつか紹介します。

【野菜】
①吸地ブロッコリー
野菜が全般的に苦手な自分でも食べることができ、一口噛み締めると中まで和風のお出汁の味がほど良く染みていました。

②エリンギ生姜煮
小ぶりなエリンギがお重内にちょこんと鎮座し、森に生えているキノコのイメージを彷彿とさせました。食べやすく一口にカットされており、ブロッコリー同様に中までお出汁が効いていてなおかつ、シャキシャキとした歯ごたえも残っていました。シャキシャキ感では、数の子、筍もちゃんと食感が感じられました。

【魚】
①鰈の秘伝合わせ味噌焼き
鰈の皮目に綺麗な焼き目がついていて、信州味噌と西京味噌の味がしっかり鰈に浸透していました。身は箸で簡単にほぐす事ができ合わせ味噌の鰈と白米がマッチし、ご飯が進む一品でした。

②子持ちししゃもの昆布巻き
どっしりとした厚みのある昆布巻きで、真ん中をかんぴょうで結び、柔らかく煮込まれた昆布の中に、子持ちししゃもが巻いてありました。昆布、ししゃもの双方とも塩辛さを感じませんでした。

【肉】
①ローストビーフ
和風ではありますがおせちの中に、ローストビーフの一品があるとそれだけで、それぞれの料理の箱内が華やいで見えました。食べると、ほのかにバジルの爽やかな香りが鼻に抜けました。しかし味の邪魔をせず、今まで食べた事がないローストビーフでした。

②六方里芋鶏味噌田楽
見た目は、肉団子のようでした。ネーミングから想像が出来ず「一体、どんな味なのか」と気になり食べてみると、中身は里芋だと分かり料理とは奥深いものだと痛感しました。可愛らしいフォルムで、里芋の頭上に鶏味噌がちょこんと乗せてありました。鶏味噌だけ食べてもしっかり味がつけてあり、里芋の優しさと鶏味噌のパンチのある味付けで食材の駆け引きが上手い！と思いました。

【その他】
①薩摩芋レモン煮
皮付き薩摩芋で色味も薩摩芋の黄色、皮の赤紫色が変色せずに、パキッとした色が出ていました。柔らかい薩摩芋は、後からレモン風味が口に広がり、箸休めにちょうど良い酸味でした。

②伊達巻き、胡桃甘露煮、栗きんとん
伊達巻きは、甘さ控えめのタイプでお菓子のように甘い伊達巻きもありますが、こちらの伊達巻きはおかずの一つに位置していました。
胡桃甘露煮は、胡桃甘露煮だけ食べても存在感がありました。紅白なますや、合鴨ロース焼きの後に食べると、程よい甘さで次の食材を食べる準備を働きかける原動力のような役割を持っていました。

３２品目という品数豊富なお一人様おせち「慶賀」。これからの時代、皆でおせちを囲んで一年を迎える伝統も忘れることは出来ませんが、こういうタイプも斬新でフレッシュだと感じました。
お正月という縛りを設けるだけではなく、会食やちょっとした自宅パーティーなどにも、重宝されそうです。届くまでワクワクしてた気持ちが、食べた後まで続き大変貴重な経験でした。機会があれば、きらら亭の別料理を食べてみたいです。
今年の締めくくりは少し早めの、お正月でした。

おせち料理では防腐面においてもお酢の料理は大事ですが、紅白なますや酢取り茗荷などがあり、お酢味が続いていましたので、少し違った味付けタイプも食べてみたかったです。また、おせちが到着し箱を開けて見てみると栗きんとんの上に、蓮の芽紫蘇風味が乗っかっていました。宅急便の車の揺れかわかりませんが、自分は紫蘇風味が苦手なので少し残念でした。