余情残心C（和菓子詰め合わせ）
いと重菓舗

指定した日時にきちんと宅急便で届きました。
梱包は段ボールではなく配送会社の封筒でしたが中はエアーキャップで包まれており、濃緑の包装紙に包まれた化粧箱もとてもしっかりとした作りでしたので何の不安もありませんでした。
しかも持ってみてびっくり。見た目の大きさよりはるかに持ち重りします。
包装紙をはがしてみると化粧箱には元禄風の美人画が描かれた掛け紙が掛けられていて高級感があります。
蓋を開けてみると4種類の和菓子がそれぞれに凝った意匠で詰められていました。それに加えそれぞれのお菓子の由来が書かれたリーフレットも入っています。
一つ一つのお菓子を確かめながらリーフレットを読むのも楽しい時間でした。
竿菓子には黒もじまで添えられていてうれしい心配りです。

埋れ木：丁寧に炊かれた大手芒豆の餡は淡いクリーム色でこっくりとした味わい。周りを包む牛皮も単に柔らかいだけでなく切れのあるお餅です。まぶされた和三盆の優しい甘さと抹茶の風味がさらりと口中でほどけて消えます。

柳のしずく：柳をモチーフにした小ぶりのお饅頭はバターを使った餡にもかかわらずしつこさが全く無くまろやかさとコクが際立ちます。

道芝：中心の小豆餡はきめ細かくしっとりと濃厚。その周囲にはコクのある黄身しぐれが薄く取り巻き、更に目にも鮮やかなグリーンのほろりとした生地に覆われています。目にも舌にも贅沢な竿菓子です。

かえりみち：練り羊羹の上に大きな一粒栗の甘露煮と透明感の高い錦玉羹の組み合わせは秋の訪れを目で感じさせてくれる逸品ですね。中の栗の甘露煮の食感と合わせて錦玉羹もちょっと固めのしっかりとした食感です。

全種類甲乙のつけがたい美味しさでしたが、何より全体に感じたのは「懐かしさ」
最近の和菓子にはないしっかりとした自家製餡の濃厚な風味はまさに「王道の和菓子」と思います。わたし的には濃いめに入れた煎茶が一番合うように感じました。
自分へのご褒美用にも良いですが、年配の方への贈答用にもお勧めです。