ワインのおともギフトセット
ブッツデリカテッセン

生食から、薫製、干物、粕漬け、練り物等の加工品など、日本には魚介類の多様な食べ方・保存法がありますが、それと同じようにヨーロッパの食肉加工技術もバラエティに富んでいます。中でもシャルキュトリと称される加熱された肉総菜は、人々の生活に根ざした、地方色も楽しいものです。個人的にはパテやペーストなど、ハード系のパンとぴったりの品々が大好きなのですが、好きな分量を手軽に売ってくれる専門店が日本には多くないため、今回のセットを心待ちにしていました。
きちんと温度管理されて届けられたボックスは、なんともキュート！蓋をあけると、ファミリーでもお一人さまでも、歓声が上がりそうな充実ぶりです。週末恒例の長期熟成発酵の自家製パンを焼いていただきました。ワインは、デイリーにはちょっと贅沢なイタリアンの赤を合わせました。以下、ライトな風味から濃厚な味わいの順となります。

イタリアのイメージが強いモルタデラソーセージのスライスは、チーズや赤ピーマンの彩りが、食卓を盛り上げます。幅広い年齢層の方に愛されそうな、豊かな風味は、シンプルなグリーンサラダとも好相性。

ピスタチオとドライトマトの鶏のパテは、レバーを使っていないこともあり、あっさりとしていながら、後を引く旨さです（比較的低カロリーな点も、うれしいですね）。豚肉とチキンの肉の配合が見事で、大好きなピスタチオのカラーと食感もくせになります。パテ初心者にも抵抗感がないと思います。

パテ・ド・カンパーニュは、豚肉と豚のレバー、ブランデーとスパイス、ハーブによる重厚なハーモニーをじっくり味わいたい一品です。脂肪分と塩分の塩梅も洗練された仕上がりとなっています。

続く三点は、いずれも順不同にリッチ系の味わいです。
フランスでは油脂の量に、おののくこともあるポークリエットですが、日本人の胃腸にも重すぎないテイストが実現されています。ペーストでありながら、ほろほろとほぐれる豚肉の食感と香味野菜のアクセントが秀逸です。

レバーペーストは、まるでお砂糖を入れていない極上チョコレートムース！脳天にしびれるコクと舌触り、罪作りなくらい官能的な味わいで、赤ワインとともに、いつまでもその味わいと戯れていたくなります。

お料理としての鴨は、低温調理のフレッシュな肉感が好きなので、期待と不安が大きかった合鴨のスモークですが、いい意味で裏切られる一品でした。軽くオーブンであたため、フランス風付け合わせとして、ポワローネギのヴィネグレットを合わせました。薫製の風味と食肉としての合鴨の微妙なバランス、弾力のある食感、ワインにぴったりの塩気。よくある薫製ハムの凡庸なニュアンスはなく、職人さんの技巧の確かさが味わいに反映された見事な逸品です。

パテやペースト類は、自家製では時間も手間もかかり、本セットのように、少量を作ることは困難です。本セットのおかげで、まるで宝箱をあけたように、ヨーロッパのシャルキュトリの匠と旨味をじっくり、存分に味わい尽くすことができました。Stay at home期間中だったこともあり、家庭で本場の味や雰囲気を味わうことができる有り難さを、ひしひしと痛感しました。
本場シャルキュトリのファンの方から、家バルをレベルアップしたい方、和食の団らんからちょっと変化が欲しい方まで、多様な生活スタイル、味の嗜好に高い満足感を与えてくれると思います。