お取り寄せの達人のオススメ!
白木あきこさん(ウェルネスフードクリエーター)
見たことのない和菓子の世界!アートのような琥珀糖

その人の名前は前々からアタマの片隅にあって、いつかその人のつくる御菓子を食べてみたい、とずっと思っていたのでした。
杉山早陽子さんーー「御菓子丸」の代表であり和菓子作家。杉山さんがテレビに登場されたとき、そのお名前やお姿に見覚えがあるものの、はっきりとどなたかを思い出せないまま画面に映し出された麗しい和菓子に目と心を奪われ、せっかちな私は公式サイトを調べすぐにポチポチッと注文したのでした。
かつて、京都で若い女性ふたりが「日菓」というユニットを組んで素晴らしい和菓子を作り評判を呼んでいる、と聞いてとても興味があったのですが、実際にその和菓子を手に入れるのは至難の業のようでいつかは、と思いながら月日が流れていました。
日菓がひっそりとユニット解散となっていたことや、近年注目を浴びている「御菓子丸」はユニットのおひとりだった杉山さんが主宰されていたことはこのあと知り、点と線がつながったように思いました。
代表作品でもある「鉱物の実」は、昔からあるオーソドックスな「琥珀」というお干菓子に、菓子ようじの素材である「黒文字」の小枝が刺してあるだけのシンプルなものですが、こんな斬新なデザインを思いついた杉山さんのセンスにため息が出ます。
ほのかな柑橘風味も季節により変わるのだそうです。旬の柑橘の風味を閉じ込めた寒天ゼリーの柔らかな弾力、薄く薄くそれを包み込むシャリッとした食感、何色ともいえないようなナチュラルな色合いを黒文字の黒が引き締めてなんと美しいこと!
見た目だけでなく本当に美味しいことが嬉しいのです。どのように器に盛り付けようか?と考えを巡らせるのも楽しく、私は新茶のようなフレッシュな煎茶や和紅茶と合わせるのが好きです。夏にはつめたく冷やし、シャンパーニュなどに合わせるのもおすすめです。
2014年、「御菓子丸」を立ち上げた杉山さんの和菓子作りはさらに進化しアートの域に。店舗を持たず、オンライン販売と甘味のお席を会場を借りてなさるのが今のスタイルのようです。
近年、京都では男性中心だった古い和菓子の世界に女性が新風を吹き込み盛り立てている例をいくつも見かけます。とても喜ばしく、誇らしいことに感じます。これからも折に触れ、お取り寄せを楽しみたいと思います。
細やかな仕事に目を見張るきんとんは繊細なお菓子ゆえに発送はされていませんが、甘味のお席でいただくことができます。杉山さんにもお目にかかってみたいし、なんとしても今年中にはお邪魔したいと思っています。
白木あきこさん(ウェルネスフードクリエーター)
2000年に立ち上げたグルメサイトを2020年春「美食道.com」にリニューアル。分子栄養学、ローフード、認知症予防等を学び、新たに「ウェルネスフーズラボ」「認知症予防食.com」を立ち上げる。安全な美味にこだわり、美と健康のためのウェルネスフード研究と食レッスンを行っている。
[ウェブサイト] 美食道.com