お取り寄せ会席弁当
おもてなし料理のきらら亭

桜の時期は終わってしまったかもしれませんが、この会席弁当が食事の時間に花を咲かせてくれました。冷凍で届いたお弁当は、お品書きが添えてあり、常温(10～20℃前後)での解凍で９つに仕切られた、それぞれのおかすが美味しくいただけます。ただし、別の容器に入った『真鯛生姜ご飯』は、電子レンジで温めて食べるのがお薦めのようだったので、加熱してからいただきました。まず、目に入ってきたのは、ローストビーフのコーナー。しんなりしていても歯応えのある若芽炒めと一緒に入っているので、主役のローストビーフをしっかりとサポートしています。次に蟹シュウマイのコーナー。枠の中に堂々と入っている存在感は、フワッとした食感がたまりません。私のお気に入りは、鰈の味噌焼きのコーナー。ジューシーな鰈の身は、口に入れた瞬間に溶けるようにほどけ、とても冷凍で届いたとは思えない程のしっとり感。味噌の甘さが更に食欲を誘います。一緒に添えられた、ずいきの胡麻和合とはすの芽は、初めて食べた食材なのに食べやすく、食感が軽いので箸休めには嬉しい逸品です。続いて、信田巻きのコーナー。この枠には、南瓜の揚げ出しとオクラの香り炒め、糸人参。更に焼き車麩といった変わり種がありました。これは、かなりツルモチ食感でクセになりそうです。信田巻きを筆頭に上品な味付けなのが、この一画を懐石料理のように彩っています。次に鶏の松風のコーナー。有頭海老とホタテの旨煮が一緒に並び、一際目を惹く、優しい甘さの杏子は、ずっと、口の中で転がしておきたい程の名脇役です。海老湯葉春巻きのコーナー。柔らかいのに歯応えのある湯葉の春巻きに横の穂付き筍は、春を感じるのに嬉しい一品。キャベツとブロッコリーの香り炒めの青さは、枠全体を春のカラーで包んでいるようです。合鴨ロース味噌漬けのコーナー。合鴨の香りが、下に敷かれている野菜のマリネとの相性は絶妙な一体感となってまとまっています。つくねのコーナー。ごろっとした見た目は、迫力があるにも関わらず、繊細な食感を味わえます。小芋唐揚げはホックリとしていて、小さくても満足感があります。ししとうの緑は、1つでは足らない位にあとひく一品としての存在感がたまりません。最後になりましたが、鶏の山椒煮コーナー。一口サイズでも肉厚で歯応えがあるので、しっかりとインパクトを残してくれます。椎茸や小松菜が、山椒の香りに負けない風味を余韻に残してくれます。食べ終えて、全体的に上品でシンプルなのにしっかりとした印象を感じ、最後まで何一つと、被ることのなかった味付けだからこそ、飽きずに美味しくいただくことができたのだと実感しています。

野菜によって食感が鈍かったり、香りが弱いものがあったのでお品書きがなければ、分からないものもありました。