
卵白とアーモンド粉だけで焼き上げたサクふわ食感!福岡の老舗のダックワーズ
私の「留美」という名前は、亡父の故郷・久留米からとったと聞いています。銀行員だった父の転勤で、私は中学1年から高校1年までの4年間、福岡県久留米市諏訪野町で暮らしました。家族の誕生日に、決まってケーキを買いに行ったのが「銀のすぷーん」です。当時小学生だった弟も、このお店のことをよく覚えています。
「銀のすぷーん」は1977年、諏訪野町で創業した手作りケーキの店です。国道322号沿いに、当初は喫茶店としてスタートした小さなお菓子屋さんは、今では駐車場を備えた立派な洋菓子専門店になりました。
中でも私のお気に入りが、焼菓子で人気No.2のダックワーズです。生地には小麦粉を使わず、卵白とアーモンドの粉だけで焼き上げています。アーモンドは自社で挽き、生地を作る直前に粉砕するので、香りが格別です。サクッとした歯ざわりのあと、ふんわり、しっとりとした食感が続き、間にはさんでいるバタークリームの風味が広がります。
味は3種類。福岡県八女市「いりえ茶園」の農薬不使用茶を生地とクリームに使った「八女茶」、博多あまおうをクリームとパウダーに使った「いちご」、北海道産バターのクリームが香る「コーヒー」です。
久留米市のある筑後地域は、筑後平野の中心地で、自然に恵まれ、多くの農産物があります。銀のすぷーんは、九州産の牛乳や卵、おもに福岡県で育てられ、製造された小麦粉や米粉、地元の生産者が育てた果物を使い、素材の持ち味を生かしたお菓子を作っています。添加物を使わないことを社是とし、原料を無駄にしないことも大切にしているそうです。
公式サイトには、「幸せな赤ちゃんは銀のすぷーんをくわえて生まれてくる」というヨーロッパの言い伝えが紹介されています。その幸せを、おいしいお菓子に託して届けたい。店名には、そんな思いが込められています。
お店には2人の恩師がいます。1人は、ドイツで「マイスター」の称号を持つお菓子づくりの巨匠、ウォルフガング・ポール・ゴッツェさん。銀のすぷーんは20年にわたって指導を受け、技術だけでなく、お菓子に向きあう心構えも受け継いできました。
もう1人は、兵庫県の有名店「ケーキハウス ツマガリ」のオーナーシェフ、津曲孝さんです。「素材のプロになりなさい」という教えが、素材にとことんこだわる、今の銀のすぷーんの土台になっています。
ダックワーズは歯ざわりが優しく、高齢の方にもお子さんにも食べやすいお菓子です。先日、義母と叔母に送ったところ、「おいしい」と喜んでもらえました。賞味期限は製造日から40日。3種の詰合せのほか、好きな味だけを選ぶこともできるので、贈り物にもぴったりです。
銀のすぷーんは、2027年、創業50周年を迎えます。久留米出身の父を持つ者として、このふるさとの味を、多くの方に味わっていただけたらとてもうれしいです。







