奈良の米粉セット
粉源

普通、お取り寄せの品といえば、届いたら即食べられる（飲める）状態、手をかけるとしても、せいぜい焼いたり煮たりする程度のものですが、このお取り寄せ品は、もろ材料です。味のレポートをするためには、自分でパンなり菓子なりを作らなければいけないという、異色のお取り寄せ品です。パンやお菓子を作ることを長年趣味としてきた私にとっては、なによりもうれしい品です。手持ちのレシピ（過去に作ったことのあるレシピ）や粉源さんのレシピを参考に、パンやお菓子を作ってみました。

ケーキ用米粉（500g×3袋）、パン用米粉（500g×1袋）、上新粉（1kg×１袋）、炒り玄米粉（300g×2袋）がセットになった商品です。
荷姿は、縦横高さの合計が66センチサイズの段ボール箱。そんなに大きな箱でもないのに、受け取った時、ずしっと重さを感じました。それもそのはず、商品の単純計算だけで、3.6kgありました。

＜ケーキ用米粉＞
賞味期限は、30.11.14と記載されていました。
袋の裏に、シフォンとクッキーの作り方が紹介されていました。シフォンのレシピは、HPで紹介されているものと同じです。

今までの経験上、グルテンのない米粉は、シフォン生地やスポンジ生地と相性がいいので、ロールケーキを作ってみました。米と餡、同じ和の食材ということで、粒餡を芯に入れた小豆のロールケーキです。手持ちのレシピに米粉のロールケーキがなかったので、薄力粉で作ったときの配合を、粉だけ米粉に置き換えてみました。

実際に焼いた配合です。
31×27cm天板1枚分
グラニュー糖・・・100g
トレハロース・・・20g
はちみつ・・・10g
牛乳・・・24g
ケーキ用米粉・・・77g
生クリーム・・・120g
グラニュー糖・・・10g
粒あん・・・適量

「米粉はダマにならないのでふるわなくてもいい」と言われていますが、スポンジ生地の場合は、雪を降らせるように、ふるいながらボウルに加えほうが、卵の泡が消えず混ざり、焼き上がったスポンジが厚くなると思いました。米粉で焼くと、薄力粉のときより焼き縮みが大きいように感じました。巻くと表面の亀裂が入ったので、もう少し薄めのスポンジに焼いたほうがよかったかなと思いました。
食べてみた感想は、不思議な、変わった食感でした。一般的なロールケーキからイメージする、ふわふわのスポンジ生地とは真逆の、もちっとした弾力のあるスポンジに焼けていました。それはそれで、面白いのです。
味に関しては、家族にも試食を協力してもらいました。言われなければ米粉だとは気づかない、特に違和感はない、スポンジがしっとりしていてとても美味しいとのことでした。
食べきったのが焼いた翌日でした。冷蔵庫で保管してましたが、米粉スポンジの部分が硬くなってはいませんでした。

＜パン用米粉＞
賞味期限は、30.11.14と記載されていました。あと1年近くあるので、小麦粉よりも持つんだなと感じました。
袋の裏に、山食パンの作り方が紹介されています。

袋の裏にのっていたレシピで作ってみました。
ただし、スキムミルクがなかったので、牛乳で代用し、そのぶん水を調整しました。

パン用米粉・・・300g
上白糖・・・18g
塩・・・6g
ドライイースト・・・6g
牛乳・・・90g
水・・・150g＋30g
バター・・・18g

手ごねしました。レシピの水分量だと生地がぼそぼそだったので、大さじ2杯くらい追加しました。米粉の生地は小麦粉の生地に比べて硬いです。こねるのにすごく力がいります。こねてもこねても生地がぼそぼそで焦りましたが、30分位こねたら、表面がつるっときれいになってきました。こね終了の時点で、グルテン膜は確認できますが、小麦粉の生地ほど薄い膜にはなりません。べたべたしない生地なので、手ごね初心者でも扱いやすいと思います。
焼き上がったパンは、使った粉量の割に、ボリュームが小さいなと感じました。ボリュームの割に重く、ずっしりしたパンです。パンの断面の気泡がものすごく細かいです。例えるなら戻した高野豆腐。味は、小麦のパンと明らかに違がいますが、これはこれでおいしいです。食感がもちもちしてます。一次発酵がないので、こね始めてから焼き上がりまで、2時間くらいです。短時間で焼けるというのは魅力です。
米粉パンは硬くなるのが早いときいていたので、ビニール袋に包み常温においたものを、翌日食べてみましたが、ほとんど変化なく柔らかかったです。

＜上新粉＞
賞味期限は、30.10.10と記載されていました。
袋の裏に、花見団子とかしわもちの作り方が紹介されています。

母や祖母が作っていた柏餅の作り方で作ってみました。
上新粉に熱湯を加えてこね、その生地でいきなり餡をくるみ、蒸し器で蒸すという簡易な作り方です。
試食した家族の感想は、生地がもちもちして美味しいとのことでした。
一晩おくと、餅の部分が歯が立たないくらいにカチカチになっていました。レンジでチンして、両面を軽くあぶって食べました。これはこれで、香ばしくて美味しかったです。

＜炒り玄米粉＞
賞味期限は、18.06.01と記載されていました。

母の発案で、はったい粉（麦焦がし）のように、砂糖を混ぜて熱湯で練ってみました。
はったい粉の味を知っている母に言わせると、「はったい粉で作ったものよりも断然美味しい」そうです。
ちょっと舐めてみて、きなこの代わりに使えそうだと思いました。きなこより美味しいです。

４種類の粉を使って作って食べてみて、どれも、このへんの一般的なスーパーで売っている米粉より味がいいなと思いました。
製菓製パン好きとっては、非常に魅力的な商品、魅力的なショップだとは思いますが、同業他社の製菓材店にくらべ、送料を割高に感じました。
今回の審査商品を購入した場合だと、商品が2,300円、送料が756円で、購入者の感覚では、3,000円超えのセットになります。10,800円以上だと送料無料ですが、ちょっとハードルが高いです。個人ユーザーの利用だと、3,240円超えになるよう品を選び、適度な頻度で買うのが妥当かなと思いました

炒り玄米粉の賞味期限だけが西暦で、残りの品は和暦でした。
18.06.01 の記載に、「10年近く前？」と一瞬ぎょっとしまいた。どちらかに統一したほうがいいのよいのでは？
近々、年号が変わる予定なので、和暦がまたがった場合、計算がややこしいです。個人的には、和暦記載より、西暦のほうがいいです。