223（ふじさん）マカロン 6個セット
産直お取り寄せのニッポンセレクト

私の中で、マカロンはパリジェンヌのイメージを最もよく象徴するお菓子です。ベーシックなアイテムを、小物やアクセサリーのアレンジで自分流に着こなすパリジェンヌのように、砂糖と卵、アーモンドプードルと比較的少ない材料を基本に無限のバリエーションが可能です。作り手によって、マカロンの肌理やつや、口溶けが異なる個性の豊かさ。繊細でコケティッシュ、ほろりと崩れながら、フィリングの濃厚な味が忘れられなくなる・・
・そんなマカロンの世界に魅せられて、パリを中心に、フランス各地でマカロンを食べ歩いてきました。今回、和のシンボル、富士山の麓で収穫される野菜や果物を、フレンチのお菓子に仕上げた、ということで、とても興味がわきました。

到着したマカロンのパッケージは、6個入りということもあり、それほど大きくありません。ふたを開けると、ボックスの内部に、それぞれのマカロンがどんな素材からできているのか、丁寧な説明が書かれているので、どれから食べようか、とわくわくする気持ちが高まります。

それぞれのフレーバーは、柚子の香りが口いっぱいに広がる「涼風」、ビーツのマカロン「赤富士」、ツートンカラーがとてもきれいな桃のマカロン「茜富士」とブドウの「暁」、野沢菜のグリーンが映える「萌黄」、カボチャの「秋月」。フランスでは二色使いが少なく、それぞれの名前もこれほど詩情に富んでいないので、日本ならではのデリケートな感性を感じます。

マカロンシェルは、外側はぱりっ、内部はアーモンドの風味が広がる適度な粘度と密度をもっていて、軽さと重さのバランスがとれています。
フィリングの量はそれほど多くなく、伝統的なバタークリームではないので、マカロンは甘すぎてあまり・・・という人にも喜ばれそうです。

それぞれのマカロンとも、富士山麓の素材とその個性（香り、色、味）が引き出されているので、ピスタチオやチョコレート、キャラメルといった定番を食べ尽した人でも、マカロンの新たな可能性を感じることができます。

鳴沢菜のマカロンは、鳴沢菜の味わいは強烈ではありません。むしろ天然の色づけとして使用されている印象を受けました。

四季を意識したマカロンだけあって、カボチャはハロウィンにいただいたらぴったりでしょう。鳴沢菜同様、お野菜のニュアンスはそれほど強くなく、ほっこりと優しい甘みです。

今回のマカロンは素材がジャムになって挟まれている方が、個性が主張されているように感じました。ブドウのマカロン「暁」は、ブドウの味わいがぎゅっとジャムに濃縮してありました。なぜかフランスではワイン／ブドウ風味のマカロンに出会ったことがありません。

ビジュアルが一番素敵だったのは、桃のマカロン「茜富士」。白とピンクの文字通りマカロンカラーにはうっとり。中の桃ジャムの繊細な甘さを体現する色の組み合わせです。

個人的に味の面で最も気に入ったのは、ビーツの「赤富士」。ビーツはどちらかというと「土臭い」野菜で、決してエレガントなスイーツのイメージでおなじみではありません。その個性がシナモンやジンジャーといった定番のマカロンではめずらしいスパイスが程よくきいたジャムになっていて、シェルの色彩の美しさとともに、素材の特徴が、オリジナル性の高い味に昇華されています。

今回は自分へのバースデープレゼントとしていただきましたが、特に女性へのプチギフトとして喜ばれると思います。量よりも質を重視される方におすすめです。

箱の底にバーコードつきのお値段のシールがべたっと貼られていました。繊細なお菓子にしては・・・贈答用にどのようにされているのか、少し不安に感じました。不運だったのか、マカロンがひとつ割れていました。他店に比べると、箱の強度が弱いように感じます。