おせち料理二段重「福寿」
おもてなし料理のきらら亭

お正月に家族で集まる時は、両親や子供たちなど幅広い年代の人が集まるのですが、手間暇かけて作ったおせちも、意外と子供は食べられるものがなかったり、労力をかけた割にイマイチ盛り上がらないことも多く、結局おせち以外のものを出すことになります。
こちらは34品目と多品種で、家庭の手作りでは用意できないバラエティーに富んだ料理が楽しめる点が魅力的です。

冷凍で届きました。風呂敷に包まれているので、そのままギフトとして渡せる形態になっています。
冷凍庫・冷蔵庫は年末年始はパンパンになりがちな場所です。こちらのおせちは2段の重に入っているので、スペースは事前に確保しておくよう注意が必要です。
また、解凍に丸一日かかるとのこと。半日くらい経った時点では、まだ凍っていたので、しっかりと24時間確保して、余裕を持った解凍をおすすめします。


最初に開けたとき、色合いや盛り付けの美しさに家族で歓声を上げました。家庭の手作りのおせちとは見た目の華やかさが違います。
内容は、黒豆や昆布巻きといった定番品から、「スモークサーモンの砧巻き」や「蟹シュウマイ甲羅盛り」といった珍しいお料理も入っていて、バランスが良いです。

全体として感じたのは、一つ一つの食材に手間暇かけてあるからか、どれも家庭料理とは一味違う美味しさ、食感、美しさです。

「楽の重」
・鰈の秘伝合せ味噌焼き→脂の乗った鰈が味噌にしっかり使っており、焼き立てでなくてもご飯が進む美味しさ。
・蓮の芽山椒風味→しゃきっとした食感で美味しかったです。
・薩摩芋レモン煮→一見すると、普通の輪切りのさつまいもですが、しっとりとしていてパサパサ感が全くなり、ほのかなレモンと優しい甘さが最高で、家庭とは別物でした。
・若鶏の山椒煮→お肉がしっとりしており、ご飯が進みます。万人受けする美味しさです。
・野菜が主役の炊き合わせ→人参や
・もち玉すだれ→見た目がかわいらしく、おせちの華やかさを一気に格上げしてくれる一品です。ほんのり甘い白玉のような餅が指してあります。
・穂付筍→冷凍と感じることがなく歯ごたえとだしの味わいが美味しかったです。

「寿の重」
・スモークサーモンの砧巻→かつら剥きされた大根がサーモンに巻いてある、美しい一品。酢の物はそれほど得意ではないのですが、良い酢が使ってあるのか、酸味が少なくまろやか。いくらでも食べられました。
・自家製手作りに拘った子持ちししゃもの昆布巻き
→昆布もししゃももとても柔らかくて感動しました。
味付けも文句なしです。
・栗きんとん→立派な丸ごとの栗が1個、かと思いきや、さつまいものきんとんの中から栗がゴロゴロと出てきました。見た目も演技が良くて華やかですし、しっかりした甘さは子供からも大人気でした。
・合鴨味噌漬け→鴨が好きなので、美味しくて夫婦でパクパクいただきました。味噌漬けとの相性もいいですね。
・ベビーホタテサフラン煮→今回のおせちの中では一番攻めているなと感じた料理です。和食の中にサフラン煮というのが驚きましたし、最初は不思議な味わいに感じたのですが、サフランのスパイスの味と香りが次第にクセになり、たくさん食べてしまいました。
・手毬餅→これもとてもかわいらしいお餅。中にあんこが入っているので、最後のおやつにぴったりです。
・有頭海老の旨煮→真ん中に入っており、目を引くおせちの主役。頭以外は外してあるので食べやすかったです。
・豚肉の八幡巻き→固くなりがちなごぼうがとても柔らかく下処理されており、とても美味しかったです。
・日向夏網笠→シロップにつけたような甘くて柔らかな日向夏は箸休めにぴったり。子供のお気に入りでした。
・数の子芽かぶ→数の子は口に入れるとほろほろと崩れていき、柔らかくて絶妙。めかぶのねばねばとの相性も良かったです。
・柚子小柱→柚子の香りがアクセントになっており、美味しかったです。
・じっくり煮含めた丹波黒豆→黒豆の皮がツヤツヤピカピカでしわ一つないのでさすが職人技と思いました。手作りの黒豆はしわしわになりやすいのですが、こちらは宝石のようでした。

冷凍されたお惣菜というと「水っぽくならないか」「味が落ちないか」心配だったのですが、解凍することまで考慮したであろう、高い味のクオリティに驚きました。
こんな
定番の和食は優しい味で丁寧に作ってあるので、親世代にも安心して味わってもらえそうですし、ほどよく甘い料理や子供が好きそうなメニューも入っているので、幅広い世代で楽しめそうだと思いました。

料理一つ一つを仕切る金色のカップの縁の部分が、（料理を取り分けている最中に食材が当たったのか？）気が付いたら欠けており、食材の側面に破片がはりついていました。誤飲したら危険ですので、そこだけ気になりました。